ホーム
研究
発表
メンバー
ニュース
イベント
アクセス
役立ちグッズ
リンク
室員のページ

2004 研究概要

マイクロケルビン温度領域を含む広い低温環境下において, 凝縮系がしめす顕 著な量子現象の研究を行う。超低温実験設備がほぼ完成し, 実験基盤が整いつ つある。超低温実験基盤整備と並行して超流動ヘリウム表面近傍に束縛した二 次元電子系, 二次元イオンプールなどの低温量子凝縮物質の表面界面で発現す る量子現象に関する研究を進めた。また, カーボンナノチューブ, 半導体ヘテ ロ界面に形成される二次元電子系を加工してつくるメゾスコピック系、ナノギャ プ電極の作成など,ナノサイエンスに深く関連したテーマについて研究を進め た。

1. 超低温量子凝縮系界面物性の研究

  1. ヘリウム表面電子を用いた超流動ヘリウム3の研究(池上、Konstantinov、河野)

    マイクロケルビン温度領域での実験を行うために整備していた核断熱消磁冷凍 装置が完成し, 40マイクロケルビンを達成した。この冷凍機を用いてまず, 超 流動ヘリウム3-A相での表面現象や秩序変数の境界効果に関して研究を行うた めに実験を進めている。

  2. 回転超流動ヘリウムの研究(高橋、富松、河野)

    鉛直軸を中心とする回転の自由度を有した冷凍機整備を行い, 連続した回転下 において5ミリケルビンを得ることに成功した。量子渦のある超流動ヘリウム 表面上の電子結晶の移動度や超流動永久流の測定を準備している。

  3. 超流動ヘリウム3表面下に形成されるイオンプールを用いた超流動ヘリウム3秩 序変数の境界効果の研究(川崎, 塚越, 池上, 河野)

    p波超流動に対する境界のおよぼす効果について, 自由表面直下に蓄積される イオンの伝導現象を超低温領域において系統的に測定するべく実験を進めてい る。液体ヘリウム中でナノチューブを利用したイオン放出素子を開発し実用的 なレベルを達成した。

  4. ヘリウム表面上の単電子制御と量子ビットの実現(Konstantinov, 一色, 秋元, 河野)

    ヘリウム膜上に単一の電子状態を制御しまた状態を検出するという研究を行い, 130GHzマイクロ波の冷凍機への導入, 実験セルの設計と製作, セルの希釈冷凍 機へのマウントなどを行った。

  5. ナノギャップ電極を用いたヘリウム薄膜上二次元電子系の伝導現象の研究(川 島, 林, 池上, 河野)

    シャドウ蒸着法を用いて,20nm程度のギャップを持つアルミ電極により,その 上に吸着した100nm程度のヘリウム薄膜上に蓄積された二次元電子系の伝導度 測定を行い、薄膜上に二次元電子系を実現することが可能であることがわかっ た。しかし, 長い緩和時間で電子数が減少して行くことがあり, そのメカニズ ムを解明する必要がある。さらに表面を加工した凹凸によって毛細管凝縮した ヘリウムを用いて電子を支持する方法の開発に着手した。

2.ナノ構造の低温量子輸送の研究

  1. メゾスコピック超伝導の研究(後藤, 塚越, 河野)

    半導体ヘテロ接合が形成する縮退二次元電子系を加工し, 微小磁束計を作製し た。これを用いて, メゾスコピックな同心円板状の超伝導/常伝導近接接合系 の磁化過程を測定した。

  2. メカニカル ブレーク ジャンクション法を用いた量子化伝導の測定(辻井, 伊藤, 河野)

    金属細線を高真空, 低温環境中で機械的に切断し, その間隔を精密に制御する ことで, 伝導度の量子化現象を観察技術開発を進めている。希釈冷凍機温度で の測定を目指して実験を進めている。また, 有機導体 (TMTSF)2PF6 ブレークジャンクションを作成し, SDW によると考えられる非線型伝導を観測した。(加藤分子物性研究室との共同研 究)

  3. 単一金属微粒子の電気伝導現象の研究(川村, 塚越, 河野)

    単一金属微粒子に電極を取り付け, その量子伝導現象を観測するために試料作 製技術の開発をおこなった。エレクトロマイグレーション法によってナノギャッ プ電極を作製し, 電極間に10ナノメートルの単一金属微粒子を捕捉して伝導 現象の測定をおこなっている。液体ヘリウム温度において, 明瞭な単電子帯電 効果が観測された。

  4. ナノギャップ電極の作成技術開発と単分子伝導現象の研究(重藤, 塚越)

    1個の分子に電極を取り付け, その量子伝導現象を観測するために, ナノギャッ プ電極を作成する開発研究を行っている。収束イオンビームを用いてトンネル 電流が観測できるほどの狭いギャップを作成することが可能となった。

2003

2002

2001

2000

管理者