ホーム
研究
発表
メンバー
ニュース
イベント
アクセス
役立ちグッズ
リンク
室員のページ

2005 研究概要

マイクロケルビン温度領域を含む広い低温環境下において, 凝縮系がしめす顕 著な量子現象の研究を行う。超低温実験設備を用いて, 超流動ヘリウム3表面 上2次元電子系の移動度測定を開始した。回転希釈冷凍機の運転も開始され, 回転超流動ヘリウム表面上2次元電子系の伝導度の測定が始まった。 超流動 ヘリウム表面近傍に束縛した2 次元電子系の表面準位間の量子遷移にともなう ミリ波吸収の測定においても吸収信号が得られるようになった。GaAs 半導体 ヘテロ界面に形成される二次元電子系の成長に必要なMBE装置の整備と,その基 盤から縦型量子ドットを製作するために必要なECRエッチング装置の導入を行 い,メゾスコピック系の量子情報処理への応用を視野にいれた研究を行うため の基盤整備を行った。さらにナノギャプ電極を用いてヘリウム薄膜上2次元電 子系の伝導度測定など,ナノサイエンスに深く関連したテーマについて研究を 進めた。

1. 超低温量子凝縮系界面物性の研究

  1. ヘリウム表面電子を用いた超流動ヘリウム3の研究(池上、河野)

    核断熱消磁冷凍装置を用いてマイクロケルビン温度領域での実験を行うことが できるようになった。超流動ヘリウム3表面上2次元電子系の移動度測定を行い, 超流動ヘリウム3-A相上のウィグナー結晶の移動度がB相上に比べて顕著に低い ことを確認した。これはA相のエネルギーギャップにノード点があり, そこで の凖粒子励起が効率的に行われる結果である。磁場中のB相での測定も行って おり, 超流動ヘリウム3の異方性が空間的な構造をもつテクスチャーについて の新たな知見が得られるものと期待される。

  2. 回転超流動ヘリウムの研究(高橋、富松、河野)

    鉛直軸を中心とする回転の自由度を有した冷凍機を用いて, 連続した回転下に ある超流動ヘリウム表面上2次元電子の移動度の測定をおこなった。磁気抵抗 に顕著な回転依存性が認められるので, その機構について詳しく測定を行う。 超流動ヘリウムの永久流についてその定常性を明らかにするために, 第4音波 の測定を準備したが, 永久流によると期待される変化は観測されなかった。

  3. ヘリウム表面上の単一電子制御(Konstantinov, 一色, 秋元, 河野)

    ヘリウム膜上に単一の電子状態を制御しまた状態を検出することを最終目標に, 130GHzマイクロ波を希釈冷凍機へ導入し, 表面状態準位間の量子遷移にともな う吸収の測定を行った。

  4. ナノギャップ電極を用いたヘリウム薄膜上2次元電子系の伝導現象の研究 (川島, 林, 池上, 河野)

    シャドウ蒸着法を用いて,20nm程度のギャップを持つアルミ電極により,その 上に吸着した100nm程度のヘリウム薄膜上に蓄積された二次元電子系の伝導度 測定を行い、薄膜上に二次元電子系を実現することが可能であることがわかっ た。基板表面を加工して、凹凸によって毛細管凝縮したヘリウムを用いて電子 を支持する方法によって擬1次元電子チャネルを実現し、伝導度の測定を行っ た。絶縁体表面ではヘリウム膜上に付着した電子の制御が困難であることが明 らかになった。

2.ナノ構造の低温量子輸送の研究

  1. 半導体量子ドットの低温電気伝導の研究(Huang, 黄, 豊川, 大野, 河野)

    GaAs半導体ベースの縦型量子ドット作成に向けて、ECRドライエッチング装置 の設置と調整を行った。GaAs2次元電子基板の作成のためMBE結晶成長装置の整 備にも着手した。

  2. メゾスコピック超伝導の研究(後藤、塚越、河野)

    半導体ヘテロ接合が形成する縮退二次元電子系を加工し, ホール効果を利用し た微小磁束計を用いて, メゾスコピックな円板状超伝導やリング、さらに梯子 に侵入する磁束量子の運動を検出する方法を開発した。

  3. メカニカル ブレーク ジャンクション法を用いた量子化伝導の測定 (辻井,伊藤,河野)

    金属細線を高真空, 低温環境中で機械的に切断し, その間隔を精密に制御する ことで, 伝導度の量子化現象を観察技術開発を進めた。希釈冷凍機温度での測 定によってアルミニウムにおける超伝導原子ポイントコンタクトの伝導特性に ついて測定を行った。また, 有機導体(TMTSF)2PF6 ブ レークジャンクションを作成し, 半整数の量子化伝導度の観測に成功した。 (加藤分子物性研究室との共同研究)

  4. 単一金属微粒子の電気伝導現象の研究(川村, 塚越, 河野)

    単一金属微粒子に電極を取り付け, その量子伝導現象を観測するために試料作 製技術の開発をおこなった。エレクトロマイグレーション法によってナノギャッ プ電極を作製し, 電極間に10ナノメートルの単一金属微粒子を捕捉して伝導 現象の測定を行った。液体ヘリウム温度において, 明瞭なクーロンダイヤモン ドを観測し、さらに接合を形成するチオール分子に起因すると考えられる特徴 的な非線型伝導特性を観測した。

  5. 有機TFTの開発(重藤, 塚越)

    ナノ加工技術を駆使して新しい有機TFTの開発と特性の改良を行った。

2004

2003

2002

2001

2000

管理者