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2010 研究概要

マイクロケルビン温度領域を含む広い低温環境下において,凝縮系がしめす顕 著な量子現象の研究を行う。超低温実験設備を用いて,超流動ヘリウム3の表 面・界面効果,回転固体ヘリウムの物性,超流動ヘリウム表面に束縛した電子 系,ミリ波吸収などの研究を行った。GaAs半導体をベースとした縦型2重量子 ドットを製作し,電子スピン・核スピンに依存した量子輸送現象の量子情報処 理への応用を視野にいれた研究を行った。さらに, 毛細管凝縮によるヘリウム チャネルや吸着ヘリウム膜を用いて単一電子制御の実験など,ナノサイエンス に関連したテーマについて研究を進めた。超低温極限環境下の量子輸送現象測 定に着手した。

1. 超低温量子凝縮系界面物性の研究

  1. ヘリウム表面電子系のミリ波吸収の研究(Konstantinov, 河野)

    ヘリウム表面上に形成される表面電子状態のサブバンド間ミリ波吸収と2次元 電子系の伝導度測定を組み合わせたユニークな測定法を用いた研究を行った。 ミリ波吸収と垂直磁場による磁気振動効果およびゼロ抵抗状態という特異な現 象を発見した。

  2. 超流動ヘリウム表面下イオンプールの伝導現象の研究(松本, 池上, 河野)

    超流動ヘリウム3自由表面に存在すると考えられている表面状態の検出を目指 して、表面下に蓄えたイオンの伝導度測定を行った。

  3. ヘリウム表面上ポイントコンタクトの研究(Rees, 黒田, Hoefer, Leiderer, 河野)

    ナノギャップを持つ電極構造と毛細管凝縮したミクロンサイズの幅を持つ液体 ヘリウムのチャネルにより,スプリットゲート型素子を作成し、ポイントコン タクト素子における伝導現象について測定を行った。電子の粒子性を反映して、 I-V特性に階段状の構造が現れるこっとを発見した。

  4. 固体ヘリウムの超流動的性質に関する研究(Choi, E. Kim, 高橋(大)、河野)

    固体ヘリウムの超流動的な振る舞いについて回転下での捩じれ振り子と剛性率 による同時測定を行い、超流動現象として自然に説明できることをしめした。

  5. ヘリウム表面下のBaイオンの分光実験(渡邊, Schmotz, Ruslan, 河野)

    超流動ヘリウム3表面束縛状態のマヨラナ性を検証する目的で,Baイオンを自 由表面下に束縛し、そのレーザー分光を行うための開発を行った。特にレーザー アブレーションによるBaイオン生成について予備的な実験を行った。

2.ナノ構造の低温量子輸送の研究

  1. 半導体量子ドットの核スピン効果の研究(高橋(諒)、大野、 河野)

    縦型量子ドットのパウリスピンブロッケードを利用した核スピン制御について 引き続き研究を行った。「上向き」および「下向き」核スピン分極を引き起こ す電圧条件にRF-NMRパルスを組み合わせ、コヒーレントな核スピン偏極の制御 に成功した。コヒーレンス時間はミリ秒と十分に長く、将来の核スピン量子メ モリ応用へ一歩近づいた。

  2. 量子ドットにおける3電子状態のスピン制御 (天羽、大野、河野)

    従来の3電子を含む2重量子ドットにおいて3つの電子スピンが揃うことで電気 伝導が抑制される新しい現象を見いだした。これは3電子スピン量子ビットの 初期化に相当し、将来の多量子ビットの一斉初期化に応用可能である。

  3. GaAs半導体2次元電子系の量子ホール効果の崩壊現象と核スピン偏極の研究 (川村, 河野)

    GaAs/AlGaAs半導体ヘテロ構造界面に形成される2次元電子系を用いて、量子 ホール効果崩壊現象にともなう動的核スピン偏極の研究を昨年度に引き続きお こなった。多端子ホールバー型素子を用いて実験をおこない、偏極核スピンか らの核磁気共鳴信号の強度が電流注入端子からの距離に依存することから、核 スピン偏極の大きさに空間勾配が生じることを発見した。この核スピン偏極の 空間勾配が量子ホール効果の雪崩式崩壊機構によって説明できることを示した。

  4. 半導体量子ドットの超低温輸送現象の研究(Badrutdinov、Huang、秋元、大野、 池上、石本、河野)

    ミリケルビン以下の超低温領域において、量子ドットの輸送特性を測定した。 スピンブロッケードと核スピン効果を示す素子において、低温で核スピン縦緩 和時間の増大を観測した。

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